ハイパーカミオカンデにおける宇宙ニュートリノ観測
from
Monday, 18 May 2015 (08:00)
to
Tuesday, 19 May 2015 (18:00)
Monday, 18 May 2015
12:00
registration
registration
12:00 - 13:00
Room: 大会議室
13:00
趣旨説明
-
由介 小汐
(岡山大学)
趣旨説明
由介 小汐
(岡山大学)
13:00 - 13:05
Room: 大会議室
本研究会では、実験側からのリクエストとして以下をお願いしています。 (1)Hyper-Kでのastro研究の期待される成果とその「物理的意義」を明確にする。例えばsupernovaだと、天の川銀河内(バースト)、銀河外(数イベント)、relicとありますが、期待される観測数とその意義が明確になるとよい。意義に関しては、例えばSNモデルが区別できると、爆発メカニズムの何がわかるのかとか、relicを2-300イベント観測すると、星形成や爆発の歴史の何がわかるのか、とか。 (2)Hyper-Kの必要性。 特にSuper-KやDUNE(米国で計画されている将来の大型液体アルゴン検出器)やJUNO(中国で計画されている将来の大型液体シンチレータ検出器)等があることを前提した上でも言える必要な理由。あるいはコンバイン解析の可能性と、それから期待される成果とその物理的意義もあれば。
13:05
ハイパーカミオカンデ時代のサイエンス
-
重博 長瀧
(理研)
ハイパーカミオカンデ時代のサイエンス
重博 長瀧
(理研)
13:05 - 13:40
Room: 大会議室
長瀧天体ビッグバン研究室は2013年4月に理化学研究所に誕生しました。 我々の研究室は、天体ビッグバン(超新星・ガンマ線バースト)に関する様々な謎の解明に向け理論的研究を行います。我々の理論研究は天体ビッグバンに関する最先端の観測に物理的解釈を与え、次世代観測に対する予言・提言を発信します。 我々は興味を共有する理研・全国・全世界の研究者皆様と協力・連携し、研究者の理想郷を理化学研究所に実現します。我々の理論研究に於いてハイパーカミオカンデ計画は特に重要なプロジェクトです。今回の講演では我々の研究室が目指すサイエンスをご紹介し、理論面からハイパーカミオカンデ計画にどのような形で貢献出来るのかをお話させて頂きたく思います。
13:40
ハイパーカミオカンデ検出器と物理(主にMeVエネルギー領域)
-
孝臣 矢野
(神戸大)
ハイパーカミオカンデ検出器と物理(主にMeVエネルギー領域)
孝臣 矢野
(神戸大)
13:40 - 14:20
Room: 大会議室
14:20
超新星モデルの現状とニュートリノ信号
-
慶 固武
(福岡大)
超新星モデルの現状とニュートリノ信号
慶 固武
(福岡大)
14:20 - 15:10
Room: 大会議室
After we briefly review a current status of core-collapse supernova (CCSN) models and the neutrino and gravitational-wave predictions, we report our recent results about the CCSN observables based on our three-dimensional general relativistic simulations. We will also discuss potential roles of the next generation detectors such as Hyper-Kamiokande and KAGRA to unravel the yet uncertain mechanism of explosion by deciphering the multi-messenger observables. (参考文献) reference: Simulations : http://ads.nao.ac.jp/abs/2012ApJ...755...11K http://ads.nao.ac.jp/abs/2012PTEP.2012aA301K GW signals : http://ads.nao.ac.jp/abs/2014PhRvD..89d4011K http://ads.nao.ac.jp/abs/2013CRPhy..14..318K Neutrino signals: in preperation
15:10
Break
Break
15:10 - 15:30
Room: 大会議室
15:30
ニュートリノで探る重力崩壊
-
俊作 堀内
(バージニア工科大)
ニュートリノで探る重力崩壊
俊作 堀内
(バージニア工科大)
15:30 - 16:20
Room: 大会議室
Neutrinos have the unique characteristic of being able to propagate relatively unhindered from the depths of core-collapse supernovae (CCSNe). In this talk, I will introduce the neutrino messenger and discuss how it will facilitate the study of core-collapse physics. I will cover recent developments in such topics as the study of the stellar compactness, black hole formation, the red supergiant problem, and the diffuse signal of CCSN neutrinos. Time permitting, I will also walk through what may follow from the first moments of a Galactic supernova. http://arxiv.org/abs/astro-ph/0503321 http://arxiv.org/abs/0809.0403 http://arxiv.org/abs/0812.3157 http://arxiv.org/abs/0901.0568 http://arxiv.org/abs/1102.1977 http://arxiv.org/abs/1302.0287 http://arxiv.org/abs/1306.0559 http://arxiv.org/abs/1406.2415 http://arxiv.org/abs/1409.0006
16:20
超新星3次元モデルに基づくニュートリノ信号
-
知也 滝脇
(理研)
超新星3次元モデルに基づくニュートリノ信号
知也 滝脇
(理研)
16:20 - 17:10
Room: 大会議室
17:10
Electroweak Hall effect and Neutrinos in the solar corona and the earth ionosphere
-
健三 石川
(北海道大)
Electroweak Hall effect and Neutrinos in the solar corona and the earth ionosphere
健三 石川
(北海道大)
17:10 - 17:30
Room: 大会議室
磁場と自由電子がある状況で引き起こされる電弱ホール効果は重いニュートリノの軽いニュートリノと光子への異常崩壊を引き起こす。これは、ニュートリノの太陽コロナ加熱や、地球電離層の特異な現象を導く。今まで無視できるとされていたニュートリノの太陽圏や地球圏に及ぼす大きな効果を明らかにし、さらに地上実験における測定法を考察する。 (参考論文) 1.K.Ishikawa and Y.Tobita, Prog.Theor.Exp.Phys. (2013) 073B02 2.K.Ishikawa and Y. Tobita, Ann. Phys.344,118(2014) 3.K.Ishikawa,T,Tajima, and Y.Tobita, Prog.Theor.Exp.Phys. (2015) 013B01 4.K.Ishikawa and Y.Tobita,"Electroweak Hall effecg of the neutrino and coronal heating," arXiv [hep-ph]:1503.07285 5.Others
17:30
Banquet
Banquet
17:30 - 19:30
Room: 大会議室
Tuesday, 19 May 2015
09:00
超新星ニュートリノと元素合成
-
敏貴 梶野
(NAO/東京大)
超新星ニュートリノと元素合成
敏貴 梶野
(NAO/東京大)
09:00 - 09:50
Room: 大会議室
原始中性子星から放出されるアクティブニュートリノ(電子型、ミュー型、タウ型)および反ニュートリノは、質量階層に応じてMSW効果によるフレーバー振動を起こす。ブラックホール形成を伴う場合(failed supernovae)に期待されるニュートリノスペクトルの観測から、重力崩壊型超新星の状態方程式(EoS)を判別できる可能性を提案し、超新星発生頻度問題(supernova rate problem)および超赤色巨星問題(red supergiant problem)を同時に解決する方法を示す。一方、圧倒的に発生頻度が大きい中性子星形成を伴う超新星(normal supernovae)の内部では、さまざまな元素がニュートリノ相互作用の影響を受けて作られるので、ヘリウム層で生成されるのかあるいはより深い層で生成されるかによって、ニュートリノフレーバー振動の影響を受けたり受けなかったりする。このような元素群(neutrino elements)のうち太陽系組成比の再現に成功した例を示し、MSW効果を受けた元素の特異性から未知の質量階層を決定できる可能性を提案する。また、ニュートリノ光球の近くで自己相互作用によって引き起こされると考えられる集団的フレーバー振動(collective oscillation for coherent neutrino scattering)がrプロセス元素合成に与える重要性を指摘し、rプロセスの起源天体が超新星か中性子星連星系合体かという最近の話題の進展を紹介する。更に時間があれば、ステライルニュートリノが電子型ニュートリノとの間で起こす可能性のある共鳴現象と加熱効果についても、最近の数値計算結果を紹介したい。
09:50
超新星ニュートリノスペクトルを用いた超新星ejecta最深部における元素合成への制限
-
敬 吉田
(京都大)
超新星ニュートリノスペクトルを用いた超新星ejecta最深部における元素合成への制限
敬 吉田
(京都大)
09:50 - 10:40
Room: 大会議室
超新星爆発時には原始中性子星から放出される大量のニュートリノによってニュートリノ駆動風が発生すると考えられている。1990年代から2000年代前半にかけてはこのニュートリノ駆動風は中性子過剰となりr-processが進み多くの重元素の起源になると考えられてきた。しかし、2000年代に超新星爆発の数値計算が緻密化されるにつれて、ニュートリノ駆動風は中性子過剰ではなくむしろ陽子過剰になることが明らかになってきた。そして、この環境下では鉄族元素より重く質量数が80-90程度までの陽子過剰核が形成されることがわかった。この重元素合成過程をνp-processと呼ぶ。最近では超新星爆発の多次元計算が行われるようになってきたが、まだニュートリノ駆動風が現れる数秒スケールの計算はほとんど行われていない。そのため、この時期におけるニュートリノスペクトルは十分に解明されてなく、ニュートリノ駆動風で起こる元素合成過程についてはまだ不定性が大きい。 ニュートリノ駆動風において生成される元素は主にニュートリノ駆動風のエントロピー、膨張のタイムスケール、1核子あたりの電子数(Ye)に依存する。この中でYeは原始中性子星から放出されるニュートリノのスペクトルに強く依存する。電子ニュートリノと電子反ニュートリノの平均エネルギーの差が大きいとYeが小さくなりよりr-processに有利になり、差が小さいとYeが大きくなりνp-processとなる。超新星爆発が近傍で起き電子ニュートリノと反電子ニュートリノのスペクトルが観測されればその超新星の最深部でどのような元素合成が進むかを推定することができるだろう。発表では超新星のニュートリノ駆動風における元素合成過程の最近の研究のレビューをする。またHyper-Kamiokandeなど大型ニュートリノ検出器を用いたコンバインド解析による電子ニュートリノと反電子ニュートリノのスペクトルの導出についても議論したい。 (参考文献) 論文の内容の中からニュートリノスペクトルに関する部分を以下に記述しました。 Qian, Y.-Z. and Woosley, S. E. (1996), Astrophys. J. 471, 331-351. ニュートリノ駆動風の解析モデル ニュートリノスペクトルとYeの関係式を導出((77)式) Hoffman, R. D., Woosley, S. E. & Qian, Y.-Z. (1997), Astrophys. J. 482, 951-962. r-processの論文。3rd peak核種の生成するニュートリノ駆動風の条件 Wanajo, S. (2006), Astrophys. J. 647, 1323-1340. νp-processの論文。Yeに対する主要生成核種の図が掲載(Fig. 13)。 Roberts, L. F., et al. (2010), Astrophys. J. 722, 954-967. r-processの論文。νe, νebarの温度に対してr-processがどの程度進むかについて議論 (Fig. 1)。 Wanajo, S., et al. (2011), Astrophys. J. 729, 46 (18pp). νp-processの論文。Yeに対する生成量分布の図が掲載(Fig. 5)。
10:40
Break
Break
10:40 - 11:00
Room: 大会議室
11:00
超新星爆発におけるニュートリノ信号と重力波信号の相関
-
孝章 横澤
(大阪市大)
超新星爆発におけるニュートリノ信号と重力波信号の相関
孝章 横澤
(大阪市大)
11:00 - 11:30
Room: 大会議室
We'd like to discuss the future physical potential of correlation analysis between neutrino and gravitational wave(GW) by considering future detectors, such as Hyper Kamiokande for neutrino detector and 2nd generation GW detectors. The astronomical sources, compact binary star merger, supernova, gamma ray burst are the target of this talk. (参考論文) arXiv/1410.2050 arXiv/1112.1140
11:30
連星中性子合体からのニュートリノ放射
-
雄一郎 関口
(東邦大)
連星中性子合体からのニュートリノ放射
雄一郎 関口
(東邦大)
11:30 - 12:00
Room: 大会議室
我々のグループで進められている、連星中性子星合体の数値相対論シミュレーションの結果について、特にニュートリノ放射に着目して発表する。連星合体からのニュートリノ検出のためには近傍のイベントが必要であるが、そのような幸運なイベントから知り得る事項について議論したい。 (参考論文) http://arxiv.org/pdf/1105.2125.pdf http://arxiv.org/pdf/1206.0509.pdf
12:00
Lunch
Lunch
12:00 - 13:00
13:00
ハイパーカミオカンデ検出器と物理(主にGeV以上のエネルギー領域)
-
康宏 西村
(東大宇宙線研)
ハイパーカミオカンデ検出器と物理(主にGeV以上のエネルギー領域)
康宏 西村
(東大宇宙線研)
13:00 - 13:30
Room: 大会議室
13:30
高エネルギー天体ニュートリノ
-
孔大 村瀬
(ペンシルベニア大)
高エネルギー天体ニュートリノ
孔大 村瀬
(ペンシルベニア大)
13:30 - 14:20
Room: 大会議室
近年IceCubeによって地球外起源のPeVニュートリノが検出され、ついに高エネルギーニュートリノ天体物理学が始まった。その起源は依然として謎であるが、その解明は宇宙線の起源に迫る重要な一歩になると考えられている。PeVニュートリノの起源として提案されている候補天体を概観しつつ、観測されたニュートリノの示唆について議論する。その後私が近年行っているGeV-TeV領域のニュートリノ天体物理学の可能性についての研究を紹介する。 (参考論文) K. Murase, M. Ahlers, and B. C. Lacki, Physical Review Rapid Communications, 88, 121301 (2013) K. Murase and K. Ioka, Physical Review Letters, 111, 121102 (2013) K. Murase, B. Dasgupta, and T. A. Thompson, Physical Review D, 89, 043012 (2014) K. Kashiyama, K. Murase, and P. Meszaros, Physical Review Letters, 111, 131103 (2013) K. Murase, K. Kashiyama, and P. Meszaros, Physical Review Letters, 111, 131102 (2013)
14:20
フリーディスカッション(理論家⇔実験家の素朴な質問・今後の研究戦略など)
フリーディスカッション(理論家⇔実験家の素朴な質問・今後の研究戦略など)
14:20 - 15:00
Room: 大会議室